2015年4月5日(日)、五反田ゆうぽうと大ホール(東京都品川区)にて、建築職人甲子園TOKYO、第1回大会が開催されました。
国土交通省・厚生労働省後援、建設業界発展・建築職人仲間のために勇気を出して臨んだプレゼンテーション、大会テーマは、『挑戦!!』309企業のエントリーの中、選ばれた5企業が、それぞれの想いを語り、会場に集まった約1800人が涙と感動が溢れた1日でした。
今回の建築職人甲子園の大会開催、頼もしく思い、勝手連も、ぜひ応援しなければと思っています。
常日頃から、日本の伝統的な「職人魂・技術」は、世界に通用する力を持っていると思っています。海外に行く時は、できるだけ「日本の職人の技」をパッケージ化して持って行くようにしています。例えば、日本で生まれたオリガミです。1枚の紙きれですが、子どもから大人までの心を癒し、多方面に使われています。今ではオリガミの技術は、宇宙への物資を運ぶ時に小さくコンパクトになり、パノラマ的な広がりで大きなエネルギーを取り出せる、傘のような器のようなものになっていますね。
職人は、ガンコで、時代遅れ、今は通用しないと思われがちですが、そんなことはありません。いつも時代でも職人の技は、最先端、いつも流行の最先端を行き、それが職人なんです。職人の技を誰にでもできるように簡単に、コンパクトに省略化され機械化されること、機械やロボットが作っていく形が職人の技を超えて行くと思われがちですが、コンピューターや機械化されたものの先を、人間の知恵と技で作っていくことが期待されています。職人の技で造られた神社、仏閣でも、何千年も何万年も近代的と言われているコンクリートや鉄筋に変わるものとして土や土壁などで作られたものが保存され使われ続けています。「竹筋」という技法を生み出しています。このようにして建物や技は進化していきます。この先色々な建物が構築されていったとしても、それはその時々の今にマッチした技を生み出していくわけです。この技術は、単なるものを作っていくだけの作業レベルにおいておくのは、非常にもったいないと思います。
これから日本は国際化社会に入って行きます。労働力も海外から入って来ます。今の日本の現状は、オリンピックの建設、東北震災地、公共事業的な事業を含め、その他建築現場がありますが、作業に携わる作業員が、圧倒的に足りなくなっています。後継者の育成も必要になってきます。これから外国人労働者が入って来ます。単なる作業員となっていくと、施主側は、コスト削減・作業効率・機械化を考えると、上からコスト削減、現場からは外国人労働者が入って来ると、その中間作業の職人の行き場がなくなります。ですから、僕はここで、皆さんに提案があります。今の日本の持っている日本のありとあらゆる技術は世界に通用するものです。その人達が、国内で、教師的に、伝道者的に、指導者的に指導伝達をしていくこと。その中で、優位性を持った立場になり、日本の会社と現場を見て、国際社会をリードしていくと、会社と職人達と海外労働者、三者が一体となり、調和が取れ、現場はスムーズに流れると思います。
第2回大会へむけ、「人が輝けば会社が輝く、会社が輝けば地域が輝く」。1年後に出会う感動!!情熱!!をイメージし、ひたすら走り続け、活動の輪が、広がるように各地の勝手連メンバーが支援します。
「プレゼンテーション」
大会は、業界活性化の取り組みと、仕事に対する想いをプレゼンテーションし、競い合う。
今回の登壇4社は、
電気工事業。テーマは、『向上』
始めから全員の意識がそこに向かっていたわけでなく、今日より明日への成長を目指し、本気で取り組むようになったという。また、今回初の女性登壇者の伊藤真由美さんは、「入社当時の辛い思いをした雑用時代から全て与えてもらっていると気付き、感謝の気持ちが持てるようになった。仲間と目標を達成して行きます!」と力強く語った。
左官・防水工事業。テーマは、『まわりの人を幸せにする』
新人だけが集まる会、ヤングクラブ(若手会)を発足。また女性職人を積極的に雇う等、会社として新しい取り組みを行っている。経験5年で親方になった優秀な女性スタッフの長口修子さんは、「昨年は見ていた側から、上司が体験を与えてくれていると気付き、今年は参加する側になりました。」と参加する意義を感じていた。
防水工事業。テーマは『東京支店の立ち上げ』
将来ずっと続けていける仕事だとは思えなかったから、職人だけにはなりたくなかったと言う若手スタッフ。東京支店の立ち上げに誘われ職人へと。「どこで仕事をしても、恥ずかしくないように…」と。仲間が光となって照らしてくれているから、きつい仕事もでき、仕事に誇りが持てたと想いを伝えた。
土木一式・建築一式工事業。テーマは『無災害。安心安全の見直し』
「災害」を起こし大けがをし、心の傷を背負っていた時の話。上司の思いやりに助けられ、職人としての気力を取り戻した。「安全」を再認識し、大切な命を亡くしかけたため、チームワークがより深まったと語った。
千葉和弘氏『「安全」のテーマで、起きた災害を思い返す事で、人間の命を大切にする事を改めて認識しました。全てが報われた瞬間でした。』
山田翔矢氏『1番良かったと言ってもらえ、とても嬉しいです。』
興梠智美氏『皆の想いが色々わかって、参加できて良かったです。』と、それぞれの想いを話した。
『バトンを渡してもらい、ようやくスタートラインに立てたと思います。次の埼玉地区に繋いで行きます。業界をより良くし、共有できる場として…これからもたくさんの応援をよろしくお願いいたします。』と感激の弁を述べた。
『大会を見て、この甲子園は、不器用な人間の集団なんだなあ~と思いました。組織として等、色々と考えていましたが、第1回大会よりも皆が成長し、どんどん広がって行く様子が目に浮かび、確信が持てました。これからもよろしくお願いします。』と、変わらぬ想いを語った。
今日、私の仲間の儀武さんも「いや涙が出てたまらない」と言っておりました。そうやってこの大会は共感を得ているわけです。ですから、民間の大会でありながら国の国土交通省が、後援団体になる、あるいは厚生労働省が後援団体になる。そしてどうでしょうか、一国の、国の代表である、総理大臣が、本来なら駆けつけるいう手筈になりながら、アメリカに同時に行かなければならない、でもこの思いを皆さんに伝えたいということで、ビデオレターであの熱い思いあの中で伝えたい、と届けてくれました。ということは国がもう皆さんのこの運動を、賞賛をして太鼓判を押して、日本は若いこの若者たちを大切にしていこうということです。
これから皆さんは、このことを胸に秘めてというより、自慢してみんなにこれを広げていってほしいと思います。今日は本当に、おめでとうございました。