光永勇よ、時代の半歩先を行け!

政界から財界︑芸能界まで数多のルポルタージュや小説を著している”トップ屋”の大下栄治氏。今回の特別対談では、これまでの勝手連の活動や、古くから活動を共にした光永会長の本音、そして勝手連が向かうべき姿の貴重な手がかりをいただきました。

田中政治にノーと言った小泉政権の誕生以来
政治は永田町から大衆へ

光永 僕たちは常に地方分権、即ち主権は国民にある、と訴えてきました。

大下 小泉政権まで日本はずっと、実質田中角栄政権だったわけです。自民党は細川政権で崩れましたが、これは田中氏の弟子である小沢一郎氏が作った政権。村山内閣もたった一回だし、その後も結局は田中政治だった。それに初めてノーと言ったのが、小泉純一郎さんでしたね。小泉さんの言った「自民党をぶっ壊す」とは何を意味するかというと「田中派をぶっ壊す」という事だった。田中政治を壊して何が起きたかというと、ずっと自民党を支えていた土建屋、郵政などの利権が切れた。これ以上、経済が伸びていかないから、傷みに耐えて欲しい、と言ったわけです。

結果的に自民党のパワーは失われ、小泉さんは、郵政民営化が全ての希望の光だと言った。そうは思えないけど。

勝手連と非常に関係のある話ですが、興味深いのは、それまでの永田町政治ではなく、政治が人気を気にし始めた。どのように大衆を巻き込んで、煽っていくか?という事が大切になりました。そんな時代に勝手連は、どのような選挙応援をしたのですか?

光永 勝手連の応援運動は、北海道、沖縄などの地方から始まりました。

大下 地方から動いて、中央に動いていったわけですね。

光永 そうなんです。吉田松陰の時代と同じですよ。江戸ではなく地方に良い人材がいないかと、色々な方にお会いしました。

大下 不思議な事が起こったのは、それまで田中角栄氏の息のかかっていた政治から、森喜朗氏、小泉純一郎氏、安倍晋三氏、福田康夫氏と、4人も清和会が続いたわけです。田中派ですら4人続いた事はないのです︒小泉さんのエネルギーで見事にひっくり返した。しかし、麻生太郎さんになって、取り戻した自民党は再び崩れた。

自民党政治とは何だったのかというと、実は公明党政治でもあったのです。公明党は全国で870万の票田を持っている。麻生さんは、公明党とくっついていながらも負けたのですが、その時の敵が小沢一郎さんだった。光永さんとは「小沢さんに政権を取らせてみよう」と一緒に何冊か出版しましたよね。

光永 小沢さんとは、その時々で見解が異なるので、応援しない時もありました。小沢さんが幹事長で、まだ40代と若かった時の都知事選挙(1991年)では、自公民路線のNHK報道局長・磯村尚徳氏ではなく鈴木俊一氏を応援しました。「ストップ・ザ・小沢鈴木勝手連」と言って。

選挙に勝つためには仲良くしなければなりません。その後は「小沢のいない国会は面白くない」と小沢さんを大衆化させる戦略を採ったりもしました。

光永 僕は政党法を成立させて後援会組織を解散し、政党助成金(政党交付金)を廃止して中選挙区制に戻すという政策を掲げています。

ロマンチシズムだけでなく
泥臭いリアリズムで半歩先を歩いて欲しい

大下 光永さんは、一歩先を行っているような気がします。東大教授のような格好良い建前ではなく、ロマンチシズムの中にもドロドロとしたリアリズムのある理想、半歩先を歩いて欲しい。
今後は誰を、どのように応援し、永田町とはどう関わっていくのですか?

光永 社会がある限り、人が人を支配したいという欲求がある。間違いを起こさないように矯正するのが選挙制度であり、人類の叡智だと思います。果てしない人の欲と共に、選挙制度も進化を続けなければならない。

「結社の自由」などを理由に、政党法もないまま看過しています。政党だけはマニフェストを守らなくても罰せられない。自由で野放しです。

また、今の日本の政治は後援会の要職者が牛耳っている。後援会に「その発言をするなら応援しない」と言われてしまったら、政治家は身も蓋もない。

世界の政治を見ると、国民からの寄付金で成り立っています。アメリカに政党助成金制度はないし、イタリアでは廃止されました。イギリスでは使途を制限しています。ところが日本の政党助成金はドイツの2倍、フランスの3倍、イギリスの66倍とも言われています。その上、使途に制限はなく、国庫に返納されるはずの余剰金は二重取りの温床となっている。日本は異常ですよ。

羅針盤なくしては
向かうべき道を誤る

光永 矛盾点を炙り出し、形骸化した制度を変えていかなければ、社会を良くする事はできません。

本物として認められる人物が政治家になるべきです。アメリカではインターネットを使って資金も賛同者も集め、無名の市民が政治家になれる仕組みができている。党のため、後援会のためでない政治家を生まないといけない。こういった事を理解した政治家が、必ず出てきますよ。

大下 最後に助言として、組織として利益を上げていかないといけないですね。「運動とは一緒に損をする事」と言う人もいますが、それとは違って経済活動として成立するように、研究してください。愛している男だから色々と言いましたが、できる事は協力します。頑張れ!

光永 「全体は個人のために存在する、個人の幸せのためにある」「世の中カエル!自分をカエル!全てをカエル!」世直し、個人の復権を、ひたすら願っています。大下先生、今日は本当にありがとうございました。

TEL 03(6892)0015 [統括本部代表]

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